1. 潰瘍性大腸炎とクローン病の類似点と相異点について述べよ。（A）
類似点：
相異点：
ほかにも細かい所見の違いはたくさんあるでしょうが，書き出すときりがありません（そもそも授業では，基本的に手術の話しかなかったわけです）。もっと書きたい方は，たとえば――
以下の 2.〜5. は授業でもプリントでもまったく扱われていませんでした。まさかこれらから出題されることはないでしょうが……
2. 大腸ポリープ，ポリポーシスの分類と治療法を列挙せよ。（A）
ポリープが100個以上群生する場合をポリポーシスといいます。以下は『STEP外科2』pp.143--147 からです。
3. 大腸の炎症性疾患の分類と治療について述べよ。（A）
試験に単独ででたら「潰瘍性大腸炎とクローン病について知っているところを述べよ」と同じだと思います。それとも潰瘍性大腸炎とクローン病以外も書け，という意味でしょうか？
4. 大腸憩室症の分類，合併症，治療について述べよ。（A）
憩室（けいしつ）とは，大腸粘膜が腸管壁を貫いて外側に突出して袋状になった状態です。腸管のなかからみれば「くぼみ」ができたようなものです。無症状の場合は治療不要ですが，多くは憩室炎を起こして来院します。
つぎの分類は自己流の解釈もはいっていて，教科書にずばり出ていたものではありません。(^^;;
| 病理学的な分類 | 起きやすい位置 | 合併症・治療 |
|---|---|---|
| 真性憩室（先天性）……腸壁の全層が外側に突出する | 右側型……盲腸から上行結腸 | 憩室炎を起こしてもあまり重篤にならない |
| 仮性憩室（後天性）……固有筋層を欠く | 左側型……下行結腸からS状結腸 | 憩室炎を起こすと重症感染症になることもある→禁食や抗生物質・食事療法 穿孔し膿瘍形成した場合→手術適用 |
5. 偽性腸閉塞症とは何か。（B）
腸管に明らかな器質的閉塞性病変はないにもかかわらず，腸内容の輸送が障害されて腸閉塞症状が起こったものをいいます
1. 遺伝性大腸癌について種類（分類），それぞれの頻度，臨床的特徴について述べよ。（A）
大腸癌はほとんどが非遺伝性ですが，家族性に発症するものも数％あって，それは
の2つがあります。
FAP は全大腸癌の約1％で，腺腫性ポリープの多発を経てから大腸癌に至る。HNPCC は全大腸癌の約5％で，消化管ポリープを伴わないのが特徴です。
2. 結腸癌の症状を，局在部位と関連させて述べよ。（A）
上行結腸癌では自覚症状が少ない。貧血・腹部膨満・腹部腫瘤触知など。
S 状結腸・下行結腸の癌では，血便・下痢・便秘など。
「外科」の試験なので手術法が問われるかと思いきや，本問が出題されてしまいました (^^;)。肛門から遠い上行結腸癌の場合は，血便は少ない――という点が書けていれば最低限は OK かと思います。国立がんセンター の ここ などは参考になるでしょうか。[2003-10-18 追記]
3. 結腸早期癌の治療手段を挙げて，その概要を記せ。（A）
患者さんへの負担を考えれば内視鏡的治療や腹腔鏡手術が望まれます。ただ実際には早期癌でも 7 割で開腹手術されているそうで，リンパ節郭清（かくせい）とともに結腸切除術をおこないます。詳しくは こちら。
4. ストーマを増設する手術に必要な術前準備を記せ。（A）
ストーマとは「口」「小孔」の意味ですが，ここではとくに人工肛門のことです。皮膚切開する部分を術前にマーキングしておくことが大切です。こんなページ もあります。
（これもたぶん授業でやっていません）
5. 大腸癌手術の術前処置の目的と方法を述べよ。（A）
当たり前ですが，腸管をきれいにしておくが必要です。腸内容を下剤や浣腸によって排泄させ，薬剤によって腸管細菌の減らすようにします。
（これもたぶん授業でやっていません）
6. 大腸癌の発生について知るところを述べよ。（A）
これは adenoma-carcinoma sequence 説と de novo 説について書けばいいでしょう。（これは授業中に口でちらっと説明がありました）
7. 結腸癌に対する術式を図示せよ。（A）
プリントにもどの教科書にもあります。結腸のマンガを描いて，切除部分をかんたんに示せば良いと思います。プリントにはいろいろ書いてありますが，右半結腸切除術・横行結腸切除術・左半結腸切除術・S状結腸切除術ぐらいで合格点はくるんじゃないかと……